2018年03月28日 14:34Fujii

デザイナーの流出モデル

モデルの背景

デザイン組織の支援の相談には自社の組織にデザイナーないしデザインに親和性が高い人材がいないということがある。

実際には人数の多い組織であれば、全くいないということもなく、ワークショップなどをすると親和性の高そうな人材がいることもある。しかし製品レベルで影響を与えているということはないのである。

流出モデル

そこで、デザイナーないしデザインと親和性の高い人材の流出モデルというものを考えてみると以下のようになる。

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ある日、デザインに親和性の高い人材が組織に入る。そこがピラミッド構造の組織であるとすると、権限のある人材によってプロダクトが決定されるため、プロダクトには反映されない。

ピラミッドではなく、みんなでつくる組織でも同じで、仮にデザインスプリントにあるような多数決で決めるとしてもプロダクトには反映されないだろう。

唯一の解決は権限のある人、ないしメンバーの多くが変わるかだが、それもなかなか難しい。

こうしてそのデザインと親和性の高い人材は他社へ流出する。また別の人材が入っても同じことを繰り返される。

これが繰り返されると残った組織は、デザインと親和性の低い人材の濃度が高くなっていく。

このことが、先ほどの権限のある人やメンバーの多くが変わることの難しさにつながる。残っている人の多くはある意味選りすぐられた親和性の低い人ばかりだからである。

デザインプロセスが機能しない理由

デザインプロセスというのはいくつかあるが、組織によってアウトプットがガラリと変わるのはこれが理由だ。 なかにはプロセスを踏んでも混迷しただけのこともあるだろう。

図のなかの下のタイプの組織であれば人材が揃っているため、アウトプットはある程度のものになる。

あくまで一定のレベルの中で意思決定の方法としていくつかのタイプやデザインプロセスがあるのである。

近年旧型のエンタープライズ向け製品を扱う組織がデザイナーを大量に増やしている動きには、上のタイプでなんとかトップダウンでやりながらも、デザインの親和性の高い人材の比率を高めていこうとする動きだろう。

Appleに象徴されるような図のなかの下のタイプの組織で行うようなトップダウンらしき動きとはまたレベル感が違うのかもしれない。

親和性の高い人材を集めるには

デザイナーないしデザインに親和性の高い人材を集めるにはどうしたら良いのか。

デザイナーにとっては、プロダクトはその組織構造を伝えるメッセージである。 卵と鶏のようなものだが、小さくともプロダクトを変えること、デザインに親和性の高い人材が集まっている組織である、またはしようとしていることをなんらかの方法で伝えることが必要になる。

このモデルの応用

このモデルではデザイナーであったが、実際にはプロダクトを取り巻くコミュニティである。デザイナーだけでなくユーザーにも置き換えることもできる。

またデザインとの親和性の有無という区別を使ったが、どんなプロダクトでもデザイナーの役割を担っている人がいる。肩書きや関心、自覚がなくてもである。これらの人がこだわりを強く持っていることもある。

そのため、デザイナーがいないのでそこに追加するというモデルではうまくいかないこともある。

肩書きのない人もデザイナーと捉えることが重要で、そうなるとデザイナー同士で目指す山が違うということになる。現在のプロダクトは具現化された山である。

その山を登ろうとする人がその山に集まってくるのである。



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