2009年07月10日 00:58Fujii

「ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術」を読んで

普段、マンガのブログですが、今日は文字だけを使ってみます。そして初の長文書評!

「ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術」というのは棚橋さんの本ですね。
非常に感想が書きにくかったというのもあります。というのも、普段ブログを読んでいますので、ほぼ内容がするする入ってくるからです。 自分が大事だと思うことがたくさん書いてあるわけです。

その部分ごとに自分も改めて考えさせられたりしますので、まとめた感想が書きにくいのです。対話をするように読んだ本、なおかつ対話は継続中という感じでしょうか。

どうしようかなと考えていたところで、ふとこの本のテーマのひとつが「蒐集=集める」ことだと思い出しました。それも、最初はバラバラのように思えるものを、組み立てなおして新しい視点を得るということです。ならば、本についての部分部分の感想や印象に残った点をまずは書いて目の前に集めてみても良いのではないかと思いました。

まずは、印象に残っている点を箇条書きで。

  • 細かく分けるだけでなく、つなげていくことが必要
  • よく考えるとこの方法は棚橋さん自身がそうなのではないかということ
  • 外と接すること
  • 「わからない」にこだわるところ
  • 言語のコンテキスト
  • デザインしすぎないというメッセージ

細かく分けるだけでなく、つなげていくことが必要

これは棚橋さんが『グッド・ルッキング―イメージング新世紀へ/バーバラ・M・スタフォード』あたりのエントリーでも書いてありますが、「わかる」ために分類したりしていく流れの続きに必要なこととして「つなぐ」が大切ということです。自分なりの解釈ですが、「わかる」とは「分類すること=分ける」という価値観があり、分類できるとわかった気になる。ところが、それでどうするの?ということになってしまっては意味がないということだと感じました。音楽を徹底的に分けると、最後はドレミファソラシド(だけじゃないですが)にきれいに分けられるかもしれない。ただ、それがどうしたの?そのあとに、ひとつの音楽としてどう成り立たせるかの視点が足りないのではないか?ということかなと感じました。

よく考えるとこの方法は棚橋さん自身がそうなのではないかということ

本には「集めて」「新しくつなげる」ということの重要性が頻繁に出てきます。このやり方は、よく考えるとたなはしさんが普段やっているブログがそう見えると思いました。まずは、本を読み「集める」、その中で本に書き込んだりしながら、「新しくつなげる」ということをやっているように思えてきます。特に海外の手法(IDEOのデザイン思考、UCD、HCDの手法)、日本の手法(KJ法)、古い日本の話(見立て)というように、特に海外の手法だけでなく、最近の日本の手法から、古い時代の話まで特に区別している様子はありません。これは、似ているものをつなぎ合わせていっているからだと勝手に思っています。

外と接すること

コレは自分自身が去年ワークショップに何回か参加し思っていたことと同じですし、一度ブログにも書きました。それは、以前に読んだ『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』という本にも書いてあった気がしますが、閉じたグループ内だと情報の流通も落ちてしまうということです。グループはあっても良いけれど、つなぎ合わせるハブの役目もとても大事だということです。これは、感覚的にわかるかもしれません。学生なら学校での常識が、他校の生徒と交流することで実は全然違っていたことを知ったり、会社の常識が、別の会社ではそんなことはなかったりするはずです。話はそれますが、ワークショップにおいて、同じようなメンバーが集まりだしたときにそれを感じたことがあります。最初は違う色だったのが混ざり合ってひとつの色になってしまうと同化してしまう感覚です。少しピリピリしているくらいでいいのかなと感じています。コミュニティとはそういうものですので、意図的に解体したり場を変えることで新鮮さを保つ必要があるのだと思いました。

「わからない」にこだわるところ

コレですね。棚橋さんの『大事なことはわかることじゃない 』というエントリーですが、自分の解釈ですが「べつにわかってもよいし、わかるのは大事、けれど、わかった気になるとそれ以上興味がなくなってしまい新しい発見ができなくなる」ということなんだろうと思います。あとは、答えがあるわけでもないしという面も含んでいると思いました。自分の超訳では、「わかんないなー、だからわかってからやる」というよりも「もともと完全な答えはないし、とりあえずやってみるといいことあるかもよ」ということだと思っています。

言語のコンテキスト

コレは比較的最近のエントリーだったと思いますが、コンテキストにも色々な種類があるということで印象に残っています。というのも、最近は棚橋さんは抑え目にしていますが、過去のエントリーを読めばマーケティング的なバックグラウンドを持っている方というのはわかります。そういった視点で、ともすれば「ユーザー」一辺倒になりがちな人間中心設計というジャンルをゆるやかに少し広げてみることができるのかなと感じました。そのあたりが確かに足りない部分という感じです。そういう意味では、人間中心設計の成熟度モデル(『ユーザビリティ活動の成熟度』人机交互論)などの考え方、そもそもの「ユーザー」以外にも目を向けてみる視点というのはコレからどんどん取り入れられてもいいのかなと感じていますし、いくのであろうと思います。こんなところでも院生が取り組もうとしています>(『理解→導入』show must go on) 自分自身も『ペルソナが今いち理解できない人へ』というエントリーのように妄想することがありますので、今回言語のコンテキスト以外にもプロジェクトのデザインという視点も入っていたのが印象に残っています。前回の本でも組織内で理解を得るための活動という点が書かれていました。ワークショップという方法もそういった理解を共有する面でやっていると感じています。

話がそれましたが、まとめると棚橋さんのバックグラウンドと今のものを混ぜ合わせたものを、垣間見れたのがよかったです(笑)

デザインしすぎないというメッセージ

あとがきというか最後のまとめがコレですね。主に具体的にはプロダクトの方が一番しっくり来るのかなと思いました。使い込んでいくうちの味であったり、長期的な視点がありおもしろいと思いました。

もともと自分自身日々マンガブログを描いていて、わずかながらも読んだ人の生活に影響を与えると思っています。マンガブログでなくてもなんでもいいんですが、何かを作るときには誰かの生活に、ある意味踏み込んで、自分の提案をしているのと同じと感じています。その提案のせいで、いい方向にいくかもしれないし、その逆もあるということを心にとどめておくと同時に、すべてを自分の提案で埋め尽くすのではなく、相手の「余地」をたくさん残しておくことの大切さを書いたのかなと思いました。おもしろいテーマです。

おしまい

そんなこんなで、たまにはテキストだけのエントリーもいいかなと。自分は、読みながら色々照らし合わせていく感じで読みました。
前回の本よりも、対象の業種がかぎられておらず、とっつきやすいので好きなところから好きに読んでみて好きに解釈すればいいのではと思います。
こうやってずらり自分の感想を見ると、結局本だけでなくブログも横断的に読んで全部含めた上での感想をもっているみたいですね、自分は。

ちなみに今回の本は秋の夜長ではなく、夏の昼間に電車でも読めるコンパクトなサイズになってました。

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ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術
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